星空観望会の新スタイル「電視観望」
天文雑誌の星ナビや天文ガイドなどの特集記事でも掲載され、今注目されている人気の観望スタイル
「電視観望」。天体望遠鏡のアイピースの代わりに天体専用の超高感度CMOSカメラを差し込み、パソコンやスマホ、タブレットなどのディスプレイを介して月や惑星、星雲星団を見る観望スタイルです。また、これまでの一般的な星空観望会のようにアイピースに目を触れることが無いので、コロナウィルス対策にもなります。
同時にみんなで天体を見ることができる!
電視観望のメリットは、多くの人たちがディスプレイで同時に天体を見ることができるところです。
星空観望会などでは、20~30人の人たちが望遠鏡の前に並んで待ったり、実際に見ても「見えない」
「わからない」と言われたり、途中で雲がかかり並んでいた人全員が見れなかったり・・・といった
経験があるのではないでしょうか。そんな悩みを解決してくれるのが電視観望です。大きなディスプ
レイを使用すれば、20~30人の人たちが並んで待つことなく、参加した人たち全員が同じものを見る
ことができます。
星雲や星団をリアルタイムでカラーで見れる!
天体写真で見る星雲や星団はきれいな色彩ですが、望遠鏡で眼視で見ると白くぼんやりとしか見えません。また、実際に見るとイメージしていた天体像と大きく違いがっかりする人もいます。近年では、CMOSカメラは以前に比べて価格も安価になり、性能も格段に向上し、電視観望をするにはカラーCMOSカメラチップで十分となりました。また、パソコンやスマホ、タブレットなどのデジタル機器のスペックも飛躍的に向上し、ディスプレイ上に鮮明な天体画像を生成して表示してくれます。このような背景から、今まで観望会ではあまり見てもらえなかったり楽しんでもらえなかった星雲星団を、多くの人たちがリアルタイムでカラーで見ることができ、観望会をより楽しんでもらえるようになります。
楽しみ広がる「電視観望」
現在は、星空観望会に参加する人たちは必ずといっていいほどスマートフォンを持っています。ディスプレイに映し出された天体の画像をスマートフォンで撮影してSNSにアップしたり、撮影した天体を自宅で調べてみたりと、観望会に参加して天体を見るだけでなく参加した後の楽しみも広がります。従来の天体望遠鏡での観望会と組み合わせることで、参加する人たちに新たな楽しみを提供できる「電視観望」。今後多くの観望会で取り入れられることが予想されます。
★「東京店のスタッフ 村上将之」が執筆した特集記事が『星ナビ2020年3月号』に掲載されました!★
https://www.astroarts.com/article/hl/a/11077_hoshinavi
【東京店スタッフ 村上将之(むらかみ まさゆき)】
東京都国立市在住。「星のソムリエ」「星空宇宙天文検定2級」を取得。
ネイチャーショップKYOEIにて情報企画業務やブログ制作のかたわら、「NHK学園講師」として星空講座の
レクチャーや南十字星ツアーなども手掛けている。そのほか幼稚園や小学校や学習館などでも星空教室を開催。